2023.09.06

秋田ブロック所属の営業担当が躍進〈支店探訪:東北支店 6 〉 アクティオの営業職は、営業所、ブロック、支店、事業部にそれぞれ配属されている。秋田ブロック所属の営業は、ICT施工や大型プロジェクトに特化した営業活動を行っている。秋田ブロック全域を守備範囲とする2人のユーティリティー・プレイヤーに話を聞いた。

秋田ブロック所属の営業担当が躍進〈支店探訪:東北支店 6 〉

ICT施工を専門に扱う営業担当

本題に入る前に、ICT施工について少し説明したい。ICT施工とは、建設事業における「施工」において、情報通信技術(Information and Communication Technology:ICT)の活用により、各プロセスから得られる電子情報をやりとりして高効率・高精度な施工を実現するというもの。施工で得られる電子情報を施工後の維持管理等に活用することによって、建設生産プロセス全体における生産性の向上や品質の確保を図ることが目的だ。


こういった流れを受け、アクティオでは道路機械事業部の中にICT施工推進課を設置。地方の道路営業所にもICT担当を置いている。事業部以外でも今回取材した東北支店にはICT担当がおり、青森から福島までの東北6ブロックにはICT関連の情報を発信する営業スタッフも存在する。この体制からもICT施工の重要性がうかがい知れるが、上流だけでなく、下流からも大きなうねりが生まれている。秋田ブロックにICT施工を専門とする営業が誕生し、着実に成果を上げつつあるのだ。


秋田ブロックの菅原直希主事は、ICT専門の営業担当になって2年目になる。アクティオに転職し、営業職として大曲営業所に配属となり10年。2022年4月に自ら志願してICT専門の営業担当となった。現在は営業所に属さず、秋田ブロック所属の営業としてICT施工案件の受注、その後の一切をサポート。ちなみに、菅原主事は売り上げを立てず、あくまでも各営業所の営業担当のサポート役に徹している。


秋田ブロックの菅原直希主事秋田ブロックの菅原直希主事


菅原主事を突き動かすものとは何なのか?


菅原「私がいた大曲営業所のエリアでは、国土交通省のICT施工案件が多かったんです。当時、私はICTという単語しか知らなくて、何をする機械なのか、何ができるのか、チンプンカンプンでした。そんな状況では、他社と同じ土俵で戦えないですよね。そこで、まずは日々の営業をしながら、ICT施工に関する勉強を始めました」


こうしてICT施工の知識を深めていった菅原主事だが、ある壁にぶち当たった。


菅原「お客様がICT施工を行うにあたり、まずはご要望をうかがい、必要な機械をセレクトし、見積もりを作って、それでOKが出れば、現場に機械を入れて施工となります。ただ場合によっては機械の使い方をお教えしなければなりませんし、一番の問題はトラブルが発生した場合の対処です。私の知識ではどうすることもできず、道路機械事業部の仙台道路営業所に応援を仰ぐのですが、今日の今日で来てもらうのは難しいのが現実です。秋田市と仙台市は250kmも離れていますから。明日には......という対応ではお客様は納得しません。現場が止まってしまいますからね」


秋田は地理的に、トラブル時の対応を考えると、営業所の営業担当だけでICT施工の案件を取りにいくのは難しい。小回りの利くICT専門の担当がいれば......。そう感じた菅原主事は、自らがICT施工専門の営業担当になることを思いついたのだ。その時、そのアイデアの実現を歓迎したのが、秋田ブロックの三浦透ブロック長だった。


菅原「もちろん、私1人の考えでできることではありません。大曲営業所の営業に欠員が出ますし、道路機械事業部にはICT施工推進課があるわけですから、そちらとの調整も必要です。この件に関しては三浦ブロック長に随分と尽力してもらい、どうにか実現にこぎつけました」


まだまだ走り出したばかりの菅原主事だが、努力を積み重ねて、着実に受注につなげている。


菅原「ICT施工案件を受注できるようにはなりましたが、まだまだですね。万が一のトラブルに備え、ICT重機に私の名刺を貼り、とにかく現場で困ったことがあれば電話をいただくようにしています。知らない電話番号から着信があり、出てみるとオペレーターさんということも増えてきました。とはいえ私の知識はまだまだなので、スキルを磨いていきたいです」


秋田ブロックでは、ICT施工を行える重機のレンタルが増えつつある秋田ブロックでは、ICT施工を行える重機のレンタルが増えつつある


ICT施工に関して、アクティオはICT建機のレンタルだけでなく、3次元起工測量にはじまり、3次元設計データの作成、施工のサポート、さらには3次元出来形の施工管理など、国土交通省が推進するICT、i-Constructionを実現するための全機能を提供している。秋田ブロックでは菅原主事が旗を振り、これら一切をサポートすることでICT施工のハードルを下げ、お客様に導入を促し、ひいては各営業の案件獲得をサポートしているのだ。


この菅原の活躍ぶりについて、三浦ブロック長は次のように話す。


三浦「菅原主事がICT専任担当の役割を担っているおかげで、秋田ブロックの営業職は、安心感を持ってICT現場への営業展開を行っています。それにつれてアクティオのシェアも年々高くなり、秋田ブロックの底上げにつながってきました。菅原主事のほかにも今年4月、道路分野である舗装業者専門の営業として高橋健主査を任命、今、高橋は秋田ブロック全域を担当しています。東北自動車道へつながる秋田自動車道では、日ごとにアクティオの道路舗装機械が目立ってきています。この2名には、秋田ブロック全域で道路分野の売り上げ拡大のため、これからも大いに活躍してもらいたいと思っています」




永年の経験を生かし、大型プロジェクトを受注

秋田ブロック所属の営業担当を、もう1人紹介したい。佐藤卓美主査だ。佐藤主査は永年レンタル業界に携わっており、4年前にアクティオに転職した。前職時代は岩手県や宮城県に単身赴任だったため、そろそろ地元の秋田市に戻りたいという思いからアクティオの門をくぐることとなったのだ。


秋田ブロックの佐藤卓美主査秋田ブロックの佐藤卓美主査


佐藤主査の手腕は、大型プロジェクトの獲得で発揮されている。公共事業は入札が原則となるため情報を得やすいが、民間工事の場合はそうはいかない。


佐藤「得意先を回るのが一番ですね。例えば、Aという現場の情報が欲しいと思ったら、3~4社ぐらい回るんですよ。何気なく聞き出すというスタンスで。そうするといろんな情報がひも付いて、輪郭が浮かび上がってきます。ナマの情報はなかなか入ってきませんし、公になった段階では既に業者が決まっている場合が大半です。いかに情報を早くキャッチするか。まずはそこからですね」


佐藤主査がアクティオに転職してから手掛けた大型プロジェクトが、秋田県大館市にある医療機器大手の工場増設工事だった。


佐藤「前職でお世話になったお客様にご挨拶にうかがった際、こういう工事があるよという情報をいただいて、何度か通っているうちにトントン拍子で事が進んでいきました」


情報をキャッチする能力は、確かにキャリアに左右されることもあるだろうし、運もある。しかし、獲得に至る大きなカギはスピードが握っている。


佐藤「見積書の提出なり、機械の納品なり、期日を守るのは当然ですが、いかにお客様の要望に素早く回答するかを大切にしています。例えば、高所作業車100台の打診があったとします。その場での即答は難しいので、持ち帰りますよね。その後、できるだけ速やかに回答するのが重要です。一気に100台は厳しいが、段階的な納品なら可能ですなど」


また、転職組の佐藤主査は、当初アクティオ独自のシステムには慣れないことも多かった。しかし、それらをサポートする体制が整っていた。


佐藤「今回の案件は、地理的に大館営業所にサポートしてもらい、主にシステムへの入力、機械の整備や出し入れなどを助けてもらいました。また、機械の手配に関しては秋田ブロック長に相談すると、すぐに動いてくれて、副支店長、支店長にもご尽力いただき、通常では難しい数量、納期の注文にも応えることができました。本当に感謝しています」


機械に関して補足すると、例えば高所作業車は労働安全衛生法により、毎年1回の定期自主点検が義務付けられている。現場に納品している高所作業車も例外ではないため、稼働中に期限を迎えたらいったん工場に戻し、一定の資格を持つ検査者の検査を受けなければならない。


たとえ次の定期点検までの期間が何カ月も残っている高所作業車であっても、貸し出す直前に定期自主点検を行う。そうすることで1年間の継続使用が担保される。今回の案件では、そういった処置も施し、アクティオが一丸となって臨んだのである。


佐藤「私個人の力ではなく、チーム力のたまものだと思っています。私はもうすぐ定年を迎えますが、営業のノウハウや人脈は、やる気のある若い営業スタッフに引き継いでいきたいですね」


秋田県は風力発電が盛んで、洋上だけでも秋田港に13基、能代港に20基の風車が設置されている。今後も風車は増設される予定なので、引き続き、こういった新しい案件もチーム力を発揮して獲得することを期待したい。


秋田港の洋上に設置された風車(奥)秋田港の洋上に設置された風車(奥)


次回は、秋田県の大規模ダム建設工事に関わる社員を紹介する。


※記事の情報は2023年9月6日時点のものです。


※2024年1月の組織改編に伴い「秋田ブロック」は「秋田支店」に、「支店」は「支社」に改編されています。


〈支店探訪:東北支店 7 〉へ続く



〈ご参考までに...〉

事業分野紹介「i-Construction(ICT施工)」(アクティオ公式サイト)

ICT施工関連機器(アクティオ公式サイト)

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