2022.07.06

「建築施工管理」技術検定試験問題を解いて仕事カアップ!【第1回:建築材料】 建築施工管理技術検定学科試験から、毎回1問ずつ取り上げて解説します。既に資格を取得されている方は復習として、これから試験を受ける方は勉強の補強として、チャレンジしていただければ幸いです。今回は建築材料/金属材料について、非鉄金属材の主な種類と特徴に関する理解を問います。(問題選定と解説/井上國博=住環境再生研究所所長)

「建築施工管理」技術検定試験問題を解いて仕事カアップ!【第1回:建築材料】

問題

金属材料に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。

  1. 黄銅(真ちゅう)は、銅と亜鉛の合金であり、亜鉛が30~40%のものである。
  2. 鉛は、鋼材に比べ熱伝導率が低く、線膨張係数は大きい。
  3. ステンレス鋼のSUS430はSUS304に比べ磁性が弱い。
  4. アルミニウムは、鋼材に比べ密度及びヤング係数が約1/3である。


(令和3年度 1級建築施工管理技術検定第1次検定 試験問題より)




解説:非鉄金属材の主な種類と特徴について

金属材料は、その種類によって強度や特性が異なります。非鉄金属材料は鉄に比べて軽いことが共通しており、強度や耐食性、耐摩耗性、熱伝導率、加工性等は種類によって違いがあります。


■非鉄金属材の主な種類と特徴
金属名 特徴
アルミニウム 軽量で強度があり、加工性に富む。
(鋼材に比べ、密度及びヤング係数が約1/3)
耐食性、耐摩耗性は大きい。
酸やアルカリに弱い。
融点が低く(660℃)、火災に弱い。
熱伝導率が高く、結露しやすい。
線膨張係数は約2.4×l0-5 (1/℃)で鋼の約2倍。
ステンレス 鉄鋼にクロムやニッケルを加えてつくられる。
さびに強い。
加工はし難い。
SUS304は非磁性であるが、SUS430には磁性がある。
加工性に富む。
表面に酸化による緑青が生じ、耐食性に優れる。
黄銅
(真ちゅう)
銅と亜鉛の合金。(亜鉛含有、30~40%)
加工が容易で、耐食性あり。
青銅
(ブロンズ)
銅と錫(すず)の合金。
鋳造性に富み、耐食性に優れている。

今回の設問の答え:3

SUS304とSUS430はそれぞれ、オーステナイト系、フェライト系ステンレスの代表格と言われます。SUS304は非磁性ですが、SUS430は磁性を持っています。


※記事の情報は2022年7月6日時点のものです。

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