2023.08.08

アクティオグループの営業所も併設〈九州テクノパーク統括工場紹介3〉 3回にわたる九州テクノパーク統括工場の紹介も今回で最終回。最後は工場に併設されているアクティオグループの株式会社シンテクノ九州営業所と株式会社アクティオトランスポート九州営業所、そして隣接するアクティオ筑後営業所の詳細をお伝えして締めくくりたい。

アクティオグループの営業所も併設〈九州テクノパーク統括工場紹介3〉

株式会社シンテクノ九州営業所
仮設電気設備をレンタル

九州テクノパーク統括工場には、アクティオのグループ会社も事業所を構えている。株式会社シンテクノの九州営業所もそのひとつだ。同社の神林晋一所長に話を聞いた。


株式会社シンテクノ九州営業所 神林晋一所長株式会社シンテクノ九州営業所 神林晋一所長



神林「弊社は良質で安全性の高い仮設電気設備をお届けするため、アクティオグループの一員として2000年3月に設立されました。主力商品であるキュービクル(高圧受変電設備機器)のほか、トランス(変圧器)や分電盤、照明器具などをレンタルしています。北海道から、ここ九州まで、全国に9つの営業拠点があります。そのほか、工場や機材センターもあります」


キュービクルというのは、発電所から送られてくる6,600Vの高電圧の電気を、現場や施設で使える100Vや200Vに変圧する設備のことだ。実際にはどんな現場で必要とされているのだろうか?


シンテクノの主力商品「キュービクル」シンテクノの主力商品「キュービクル」



神林
「もちろん新たに電気を引く工事現場でも使いますが、プラントやビルといった施設の定期修理でも必要になります。例えば、施設内にある変電所を更新しなければならない場合。その間、電気を止めるわけにはいかないため、仮設のキュービクルを設置します」


キュービクルは仕様書に合わせた受注生産のため、東日本と西日本にある工場で製作しており、営業所の仕事は機器の出し入れと整備がメインだという。

神林「我々はアクティオグループなので、アクティオの営業経由で仕事をいただくこともありますし、我々がお客様と直接取引するケースもあります」


九州営業所で業務担当(フロント)を務めるのが井村俊介さんだ。業務内容についてうかがった。


業務担当(フロント)の井村俊介さん業務担当(フロント)の井村俊介さん



井村
「私は主にトランスや分電盤、照明器具の整備を担当しています。トランスは電圧を昇圧/降圧する機器、分電盤は使う機械に合わせて電気を分ける機器、言うなればコンピューターのハブのような機器です。分電盤は整備だけでなく、既製品に見合ったものがなければ、新たに作ったりもします」

同じグループのアクティオからはどのような問い合わせがくるのだろうか?

井村「アクティオからは、仮設ハウスに関する問い合わせが多いですね。仮設ハウスに電気を引きたいが、どのくらいの容量の発電機に、どんな分電盤を使って、どういう風に配線すれば良いのか、といった内容です」


キュービクルの点検風景キュービクルの点検風景

神林所長は、業務を遂行する中でアクティオグループとしてのシナジーを実感しているという。

神林「発電機と一緒に電気に関する全てを提案できるのが強みです。お客様からすれば、発電機とその先の機器が別の業者だと手間がかかりますからね。アクティオグループには仮設ハウスが得意な会社もありますので、窓口を一本化できるのは大きなメリットだと思います」


「発電機と一緒に電気に関わる全てを提案できるのが強み」と話す神林所長「発電機と一緒に電気に関わる全てを提案できるのが強み」と話す神林所長




株式会社アクティオトランスポート九州営業所
運送業務を担当

機械の運送を一挙に引き受けているのは、株式会社アクティオトランスポートだ。九州テクノパーク統括工場にも同社の九州営業所が入っている。まずは岡本博幸所長代理に話を聞いた。

株式会社アクティオトランスポート九州営業所 岡本博幸所長代理株式会社アクティオトランスポート九州営業所 岡本博幸所長代理



岡本
「弊社はアクティオ九州支店のエリア内で機械の運送を行っています。九州は離島が多く、五島列島や種子島などには自社便を出しますし、その他の離島へも、協力会社に依頼しながら対応します。状況にもよりますが、広島あたりまでなら自社便を出すことがあります」

トラックの運行状況はPCモニターで確認できるトラックの運行状況はPCモニターで確認できる


フロント担当の番馬義次さんに、運用しているトラックについて詳しく聞いた。


フロント担当の番馬義次さんフロント担当の番馬義次さん



番馬
「1番大きいトラックは14tです。下は2tクラスですね。14tなら1,100kVAの大型発電機や、0.45m3のバックホーも積めます」

運送の流れとフロントの具体的な仕事内容についても教えていただいた。

番馬「まず積荷と行き先に合わせてトラックのサイズを決めます。その際、できるだけ効率化を図るため、同じ方面に一緒に運べる荷物がないか確認します。例えば5日後に予約が入っている荷物の運送日を同じ日に変えることができれば、一緒に運べますから。そんな段取りをするのがフロントです。あとはドライバーの決定ですね。積荷によっては移動させる資格が必要になるため、日程と行き先、トラックのサイズ、ドライバーがうまく噛み合ったときは気持ちがいいです。感覚的にはテトリスのような、瞬時に判断していくパズルに似ているかもしれません(笑)」

アクティオトランスポート九州営業所では、15台のトラックを運用しているアクティオトランスポート九州営業所では、15台のトラックを運用している

アクティオ筑後営業所
地域密着型のビジネスを展開

アクティオの筑後営業所は九州テクノパーク統括工場に隣接している営業所だ。九州テクノパーク統括工場が開設される少し前、2015年9月に営業を開始。筑後営業所の立ち上げ時から関わっているのが髙田祐豪所長だ。

アクティオ筑後営業所 髙田祐豪所長アクティオ筑後営業所 髙田祐豪所長

髙田
「私は北九州地区の営業所勤務が長かったので、筑後地方は初めてです。とはいえ地元が筑後市の北にある久留米市なので、土地勘はありました。北九州地区と筑後地方では、お客様のタイプが全く異なります。北九州地区は工場が多く、筑後地方は地場の土木、建築会社がメインです」

筑後営業所ができる前に、筑後市をカバーするアクティオの営業所はあったのだろうか?


髙田「ありませんでした。筑後営業所は筑後市を中心に隣町の八女市、みやま市、柳川市、大川市、久留米市の南部あたりがテリトリーなのですが、全て新規の営業です。すでに競合他社が入っていたので、とにかく通って、顔を覚えてもらって、コツコツ開拓してきました。小さな町なので、一度気に入っていただければ、ずっと声をかけてもらえるので、いただいた仕事は全力で取り組んできました。軌道に乗るまで、3年くらいかかりましたね」

筑後営業所に異動して8年。さまざまな経験を積んできたが、中でも2016年4月に発生した熊本地震の対応が心に残っているという。


「九州テクノパーク統括工場が完成する少し前に、熊本地震が発生しました。未曾有の災害に対応するため、全国のアクティオから機械を運び込みたくても、テクノパークはまだ工事中。そこで工場の施工会社と交渉し、なんとかテクノパークの敷地内に置き場所を確保し、筑後営業所が前線基地として対応しました。災害時にこそ底力を発揮するのがアクティオですからね」

日々の業務の中で、テクノパーク統括工場と隣接しているメリットは何だろうか?


「やはり必要な機械がスピーディーに出せるということに尽きます。開設当初は工場にある特殊な機械も出しやすいと思っていたのですが、筑後営業所はエリア的に地場のお客様がメインなので、一般的な機械が大半を占めます。そこの読みは外れたものの(笑)、整備・物流の基地に隣接した営業所ということでメリットは数多くあります」
筑後営業所は九州テクノパーク統括工場の正門横で営業している筑後営業所は九州テクノパーク統括工場の正門横で営業している



離島を含む九州全域をカバーする九州テクノパーク統括工場。その役割と機能、邁進するスタッフについて、3回にわたって紹介してきた。今後も九州テクノパーク統括工場は、機械の総合管理を担うプロフェッショナルの集合工場として、アクティオグループのシナジーを発揮しながら、機械の整備や運用の役割を担っていく。


※記事の情報は2023年8月8日時点のものです。


※2024年1月の組織改編に伴い「九州支店」は「九州支社」に改編されています。



〈ご参考までに...〉

九州テクノパーク統括工場(アクティオ公式サイト)

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