2023.11.14

北海道で千歳テクノパーク統括工場が稼働 アクティオと共成レンテムは、北海道千歳市に合同工場「千歳テクノパーク統括工場」を開設し、2023年10月10日に稼働を開始した。それに先立ち、10月3日にはグループ会社の社員とプレス関係者、10月4日、5日の2日間は得意先関係の皆様をお招きした内覧会・ソリューション展示を行い、1,000名以上の来場者でにぎわった。

※株式会社アクティオと株式会社共成レンテムは、両社ともアクティオホールディングスのグループ会社。

北海道で千歳テクノパーク統括工場が稼働

北海道に、初のテクノパーク統括工場が誕生

アクティオは2001年の佐野テクノパーク統括工場開設を皮切りに、千葉(2012年)、三重いなべ(2015年)、九州(福岡、2016年)、関西(兵庫、2017年)、広島(2021年)と全国にテクノパーク統括工場を展開してきた。

北海道千歳市で稼働を開始した千歳テクノパーク統括工場は全国7カ所目のテクノパーク統括工場で、北海道としては初、またグループ会社と共同で運営する初めてのテクノパーク統括工場である。テクノパーク統括工場は、整備工場・研究開発の場としてだけではなく、人材育成や災害時の機械・機材供給基地として、また地域社会とのつながりや防災拠点としての役割も果たす重要な施設だ。

千歳テクノパーク統括工場は、アクティオと共生レンテムの合同工場だ千歳テクノパーク統括工場は、アクティオと共成レンテムの合同工場だ



千歳テクノパーク統括工場の敷地面積は55,800.37m216,579.61坪)。東京ドーム1.2倍の広さで、この広大な敷地に、橋型クレーン3基(15t2基、4.9t1基)、自動洗車機、20kLの自家給油設備などが配置され、延べ床面積11,943.84 m23,613.01坪)の工場内には、天井クレーン10基(15tが2基、4.8tが2基、2.8tが6基)、ライトクレーン9基、塗装ブース3棟、648パレットの自動ラック倉庫1基、移動ラック14列2連3段168パレット、垂直リフター5基、洗浄ロボット1基、ショットブラスト1基など、最新の設備が備わる。

(上)橋型クレーンは15tが2基、4.9tが1基の計3基を設置 (左下)重機の自動洗車機。冬期は履帯等に氷が付着した状態で返却されることが多いため、温水洗浄もできるようにしている (右下)自家給油設備には20kLの燃料を備蓄(上)橋型クレーンは15tが2基、4.9tが1基の計3基を設置
(左下)重機の自動洗車機。冬期は履帯等に氷が付着した状態で返却されることが多いため、温水洗浄もできるようにしている
(右下)自家給油設備には20kLの燃料を備蓄


重機の塗装ブース重機の塗装ブース

640パレット収納可能な自動ラック倉庫648パレット収納可能な自動ラック倉庫

(左)1,000×2,000mm、重量約50kgのゴムマットを洗浄できる装置 (右)カラーコーン自動洗浄装置(左)1,000×2,000mm、重量約50kgのゴムマットを洗浄できる装置
(右)カラーコーン自動洗浄装置

(左)足場板を自動で洗浄するコンベア式の装置<br />(右)6軸アームロボットで可搬式作業台を超高圧洗浄する装置(左)足場板を自動で洗浄するコンベア式の装置
(右)6軸アームロボットで可搬式作業台を超高圧洗浄する装置



トレーニングフィールドも充実しており、ICT建機や軌陸車のデモンストレーション、講習などが実施できるエリアも完備している。

トレーニングフィールドでは、ICT建機を使用した土木施行トレーニングが行えるトレーニングフィールドでは、ICT建機を使用した土木施行トレーニングが行える


鉄道のレール(狭軌)を敷設。踏切部分で軌陸車の載線・離線のトレーニングが行われる鉄道のレール(狭軌)を敷設。踏切部分で軌陸車の載線・離線のトレーニングが行われる



このほか、環境への配慮や快適な職場環境の実現にも注力している。例えば、クール&ヒートチューブシステムの採用だ。これは寒さが厳しい北海道のテクノパーク統括工場にあって、1年を通じて温度が安定している自然エネルギーの地中熱を利用し、屋外の空気を事務所内へ取り入れるシステムで、夏は涼しく、冬は暖かいという利点がある。また整備を行う工場内の天井部にはヒーターが設置され、作業員の快適な環境を確保している。

地下にパイプを埋め、そこに外の空気を通して事務所内に送り入れるクール&ヒートチューブシステムを採用。パイプ内で夏は30℃以上の外部空気を冷却し、冬は0℃以下の冷気を暖める。自然エネルギーを利用した温度管理方式だ地下にパイプを埋め、そこに外の空気を通して事務所内に送り入れるクール&ヒートチューブシステムを採用。パイプ内で夏は30℃以上の外部空気を冷却し、冬は0℃以下の冷気を暖める。自然エネルギーを利用した温度管理方式だ



環境への配慮ではこのほか、工場内に天窓を設け、できるだけ自然光が差し込むよう工夫している。また、床面の明るさを測定し、自動的に照明の明るさを最適に調光するシステムも採用している。

(左)天窓を設けることで、外光を積極的に取り入れている (右)作業スペースの天井にはヒーターが吊られ、作業員の快適な環境を確保(左)天窓を設けることで、外光を積極的に取り入れている
(右)作業スペースの天井にはヒーターが吊られ、作業員の快適な環境を確保



災害時の機械・機材供給基地として、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)対策も万全だ。万が一、災害等により商用電源が喪失した場合は、工場の各エリアに設置されたBCP接続盤に大型発電機を接続し、配電経路を切り替えることで、数十分以内に必要な電源を確保することが可能である。

商用電源が途絶えた際は、BCP接続盤に大型発電機を接続して対処可能だ商用電源が途絶えた際は、BCP接続盤に大型発電機を接続して対処可能だ


一般的に歩行者用通路はグリーンに塗られることが多いが、千歳テクノパーク統括工場は共和レンテムのコーポレートカラーであるブルー塗装だ一般的に歩行者用通路はグリーンに塗られることが多いが、千歳テクノパーク統括工場は共成レンテムのコーポレートカラーであるブルー塗装だ




本格稼働を前に、内覧会を開催

千歳テクノパーク統括工場は10月3日~5日のオープニングセレモニーで幕を開けた。セレモニーでは内覧会・ソリューション展示が行われた。北海道初のテクノパーク統括工場ということもあり、報道関係者の関心も高く、テレビや新聞などの取材チームも数多く訪れ、3日間を通して約1,000名の来場があり、盛況だった。

オープニングセレモニーで挨拶を行うアクティオホールディングスの小沼直人取締役副社長オープニングセレモニーで挨拶を行うアクティオホールディングスの小沼直人取締役副社長

内覧会は1グループ(約20名)が約1時間で工場内を巡るツアー形式で行われた。整備エリアや各設備の紹介に加え、最新建機のデモンストレーションなども行い、興味深く見入る来場者の姿が印象的だった。

(左)最新機械のデモンストレーションを熱心に取材するテレビクルー (右)整備エリアを見学する来場者(左)最新機械のデモンストレーションを熱心に取材するテレビクルー
(右)整備エリアを見学する来場者

屋内外に展示されたさまざまな機械屋内外に展示されたさまざまな機械



最終日の10月5日は強い雨の降る天気となったが、そこでもアクティオと共成レンテムの課題対応力が発揮された。急遽、前日の内覧会終了後に展示レイアウトを変更。屋外展示から切り替え、デモンストレーションで使う機械を屋内に移動した。

最終日はあいにくの雨。可能な限り屋外展示物を屋内に移動するといった対策が施された最終日はあいにくの雨。可能な限り屋外展示物を屋内に移動するといった対策が施された



ICT建機や軌陸車のトレーニングエリア、自動洗車機の見学など、屋外の展示エリアまでは、仮設ハウスやパワーパイプテントで濡れない動線が確保された。頭上の低い箇所には注意喚起用のテープを垂らすなど、安全対策も万全だった。

急遽、対策を施したにもかかわらず、雨対策は万全だった急遽、対策を施したにもかかわらず、雨対策は万全だった



千歳テクノパーク統括工場は10月10日から本格的に稼働。いずれ改めて機械整備や物流機能の詳細をご紹介したい。

アクティオと共成レンテムの合同工場である千歳テクノパーク統括工場千歳テクノパーク統括工場の正面入り口



※記事の情報は2023年11月14日時点のものです。



〈ご参考までに...〉

千歳テクノパーク統括工場(アクティオ公式サイト)

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