2023.12.21

現場の脱炭素化に貢献する電動アイテム。騒音対策や省エネにも! 建設現場でも脱炭素化の取り組みが求められ、現場で使用するさまざまな機械の電動化が進んでいる。電動式の建設機械(以下、電動建機)や乗り物を利用することは、環境負荷の低減だけでなく、健康被害の防止や騒音対策につながるなど、作業者や現場環境にとってもプラスの面が大きい。今回は、電動式を利用するメリットとともに、アクティオが取り扱う電力で動く商品をピックアップして紹介する。

現場の脱炭素化に貢献する電動アイテム。騒音対策や省エネにも!

2050年カーボンニュートラル(脱炭素化)の実現に向け、国土交通省は、電動、バイオ燃料などを新たな動力源とする「GX(グリーントランスフォーメーション)*建設機械」などの導入や普及を促進するための検討を進めている。


2023年9月に開催された「令和5年度 建設施工の地球温暖化対策検討分科会」では、2023年度内に電動建機の認定制度(GX建設機械認定制度)を新たに創設すると発表された。まずは油圧ショベルとホイールローダーを認定対象とし、その後、対象機種の拡大を検討するという。こうした流れから、建設現場における電動化は今後ますます加速すると予想される。


* GX(グリーントランスフォーメーション):化石燃料をできるだけ使わず、クリーンなエネルギーを活用していくための変革やその実現に向けた活動(出典:経済産業省 広報室




電動式のメリット

電動式はただ環境に優しいだけではなく、さまざまなメリットがある。ここでは、4つの主なメリットについて解説する。ぜひ現場への導入の参考にしていただきたい。


  1. 排気ガスが出ない
    エンジン式から出る排気ガスには、二酸化炭素(CO2)だけでなく、一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(Sox)などの有害物質が含まれている。電動式はこれらの排気ガスを出さないため、環境に優しいのが最大の特長だ。環境負荷を低減し、さらに作業員の健康を守ることにもつながる。
  2. 騒音や振動を抑えられる
    建設現場で大きく問題になるのが騒音である。エンジン式と比べて、電動式は騒音を大幅に抑えることができ、都市部や住宅街、夜間でも安心して利用できる。また振動も抑えられるため、オペレーターの疲労や負担の軽減が見込める。
  3. 省エネ
    エンジン式よりも燃料を削減でき、省エネで稼働する。導入コストは高めであるものの、長期的にはランニングコストを抑えられる。
  4. 給油が不要
    エンジン式に必要な給油やメンテナンス作業が不要で、定期的な点検作業の手間を削減できる。これは実用性の面で重要なポイントと言える。



アクティオは、道路機械、解体機械、荷役・運搬機器といった電動建機のほか、バイクや自転車など、電力で動くさまざまな商品をレンタルしている。ここからは、アクティオが取り扱う電動商品の一部ラインナップを紹介する。




道路工事で活躍する「電動ランマー」

電動ランマー


「電動ランマー」は、排気ガスを出さないゼロ・エミッションに対応した電動パワーユニット搭載のランマーだ。スイッチ一押しで運転・停止ができ、路盤状況や作業内容に応じてスピードを3段階に切り替えられる。手元の振動を抑える防振ハンドルを採用しており、操作性や安全性に優れるほか、電子部品を保護する。


さらにモーター、ハーネスなどを保護するプロテクターやファンガードを装備。高張力鋼のメタルシートをプレス一体形成した耐摩耗性フートにより、硬く締まった路盤でも安定して作業が行える。NETIS登録商品(登録番号:KT-210039-A)でもある。




解体作業を遠隔で行える「電動遠隔解体ロボット」

電動遠隔解体ロボット(左)DXR140 (右)DXR270(いずれもハスクバーナ・ゼノア)


解体機械「電動遠隔解体ロボット」は、Bluetooth(無線)通信で50m程度まで遠隔操作できる。電動油圧システムを搭載しており、排気ガスが出ないため、屋内作業や排気ガス禁止現場でも使用可能だ。全長1,932mm×全幅771mm×全高854mmの「DXR140」と、全長2,442mm×全幅780mm×全高1,367mmの「DXR270」(いずれもハスクバーナ・ゼノア)の2タイプを用意。いずれもコンパクトで屋内へも容易に搬入できる。


また、大割、鉄骨カッター、ブレーカー、バケットなど多彩なアタッチメントをそろえており、現場に応じて取り付けられる。


アタッチメント一覧アタッチメント一覧




屋内での高所作業に役立つ「垂直昇降型ホイール」と「垂直昇降型クローラ」

ビルや工場内での設備工事、商品管理、点検・修理など、屋内での高所作業に役立つのが「垂直昇降型ホイール」と「垂直昇降型クローラ」だ。コンパクトな車体のため、仮設エレベーターなど狭い場所を出入りできる。


■垂直昇降型ホイール

垂直昇降型ホイールJLG1930ES(JLG)


「垂直昇降型ホイール」は、シザース型の昇降機構によって作業床面が水平に安定し、作業時の揺れを最小限に抑えられる。作業床が拡張するため、工具や機材を積載しても十分な作業スペースを確保できる。


北越工業社製の5機種(ENTL040、ENTL045、ENTL061、ENTL080、ENTL099)と、JLG社製の4機種(ES1530L、JLG1930ES、2632ES、3246ES)、アイチコーポレーション社製の3機種(SV060DNS、SV08DNL、SV10DWL)の計12種をそろえており、いずれもバッテリーで稼働する。最大床面高さは4.0~9.7m。


「ENTL040」「ENTL045」「ENTL061」「ENTL080」「ENTL099」 は、充電器、抵抗器、バッテリーモニタがバッテリーの充放電量を監視し、適正な充電を行うシステムを装備している。これにより、バッテリーの長寿命化を実現するとともに、補水作業の回数を減らし、メンテナンス時間を削減できる。またバッテリーを出し入れしやすいスライド式ドアにより、保守や点検が簡単に行える。


充電方式について、シールドバッテリー搭載車は各社、同様の充電方式を採用している。



■垂直昇降型クローラ

垂直昇降型クローラ(左)ENCL045(北越工業) (右)NUX06C(長野工業)


「垂直昇降型クローラ」は、足回りがクローラ式のため、段差のある床など不整地でも安定して走行できる。シザース型の「ENCL045」(北越工業)、「NUX06uj」「NUX06C」(いずれも長野工業)、「ES1530LC」(JLG)、Σ型の「KC60L」(エスマック)の5機種を用意しており、最大床面高さは4.5~6.1m。


これらの高所作業車は、アクティオが開発した「高所作業車 IoTサービス」を活用するとさらに便利だ。稼働時間や運転状況、充電状況をいつでもどこでも確認でき、1台ごとの稼働状況をグラフで表示してくれる。異常発生時や充電電圧が一定以下になった際には、メールで使用者に通知される。


高所作業車 IoTサービスの管理画面高所作業車 IoTサービスの管理画面




重い荷物もラクに運搬できる「電動階段運搬車」

電動階段運搬車


「電動階段運搬車」は、重い荷物を載せたまま階段を昇り降りできる台車。最大角度35°までの階段に対応しており、本体はコンパクトなのに、最大積載荷重は160kgとパワフルだ。充電時間は約3~4時間で、80㎏の荷物を載せた場合、約80分間連続して使用できる。ボタン式で、誰でも簡単に操作できるのもうれしいポイント。フレームは分解可能で、車移動やパレット発送もできる。


重い荷物や機材を載せて、階段を楽に昇り降りできる重い荷物や機材を載せて、階段を楽に昇り降りできる


(左)ボタン1つで簡単に操作できる (右)フレームは分解可能(左)ボタン1つで簡単に操作できる (右)フレームは分解可能




クリーンな移動を可能にする「電動バイク BIZMOⅡ」

電動バイク BIZMOⅡ


「BIZMOⅡ(ビズモツー)」は、満充電で約150km走行できる、クリーンでエコな電動バイク。現場内での移動のほか、デリバリーや警備、外回りの営業など、さまざまなシーンで活躍する。排気ガスが出ないため、屋内の現場で使えるのも魅力のひとつ。走行中のCO2の排出量はもちろんゼロで、静音性にも優れている。エンジン式と比べて、メンテナンスコストを安く抑えられるというメリットもある。


さらに大容量のバッテリーには、100Vコンセントを装備。移動先での照明器具や電動工具の使用はもちろん、災害時のバックアップ電源としても使用できる。


※記事の情報は2023年12月21日時点のものです。



〈ご参考までに...〉

電動ランマー(アクティオ公式サイト)

電動遠隔解体ロボット(アクティオ公式サイト)

垂直昇降型ホイール(アクティオ公式サイト)

垂直昇降型クローラ(アクティオ公式サイト)

電動階段運搬車(アクティオ公式サイト)

電動バイク BIZMOⅡ(レンサルティングミュージアム)

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