2020.02.06

現場内の機械の位置を管理「機械位置情報システム」 空港での夜間工事など、作業終了後の重機の場所を厳密に管理しなければならない現場が存在する。アクティオ技術部では、重機の位置をリアルタイムに監視し、未然に事故を防ぐ「機械位置情報システム」を開発した。

現場内の機械の位置を管理「機械位置情報システム」

空港工事で活躍

空港での工事では、重機の厳密な管理が要求される空港での工事では、重機の厳密な管理が要求される

飛行場での工事は、航空機の最終便の発着が済んだあと、深夜に行われる。朝方、その日の工事が終了したら重機を定められた機械待機エリアに移動させ、夜の工事開始を待つ。これが守られず、待機エリアの外に駐車してしまったり、ましてや滑走路の上に工事車両が置き去りにされるようなことがあれば、始発の運行ができないという、大事故につながってしまう。

現実には、このようなことはまず起こりえないが、人間が管理している以上、可能性がゼロとは言い切れない。このリスクを限りなくゼロにして、安心安全を担保するためのシステムが、機械位置情報システムだ。



GNSSで位置と高さを管理

このシステムでは、工事車両すべてにGNSSアンテナを取り付け、その位置情報を、PCで一元管理するというものだ。現場事務所に置かれたPC上で、現在どの機械がどこにいるのかをリアルタイムに確認することができる。

重機の屋根に取り付けられた位置情報取得用のGNSSアンテナ重機の屋根に取り付けられた位置情報取得用のGNSSアンテナ


空港には「制限表面」という高さ規制がある。航空機は滑走路から次第に高度を上げて飛び立ち、次第に高度をさげながら着陸してくる。これら航空機の飛行高度の勾配を元に、高さの制限が設けられているのだ。大型クレーンなど背の高い重機を使う場合には、この「高さ」の監視も必要になる。機械位置情報システムでは、重機の高さの管理も位置とともに行える。3次元情報を扱うことから、PCの管理画面の表示も3Dになっている。

大型クレーンのブームの高さを取得するGNSSアンテナ大型クレーンのブームの高さを取得するGNSSアンテナ


管理画面には、重機の位置と高さが3Dで表示され、それぞれの現在位置が分かる管理画面には、重機の位置と高さが3Dで表示され、それぞれの現在位置が分かる


GNSSアンテナは、バックホーやユニックでは車体の上に取り付けている。位置情報に関しては、目視でも確認が可能であることから、±10m程度の精度のGPSを使用している。

高さの管理が必要となるクローラークレーンについては、ワイヤ巻き上げの主軸となるガントリと呼ばれる部分に取り付けている。ガントリの高さを測定し、ジブの高さを割り出すのだ。高さに関しては、制限表面との差分が目視では確認できないため、高精度な±2cmの精度のGPSを採用している。



国内の空港現場で使用

開発のきっかけは、空港工事の入札に参加するゼネコン様からの依頼だった。より安全確実な工事の実施のために、あらたに重機の位置を監視するシステムを開発して提案したい...... アクティオでは、このような場合、技術部の出番となる。技術部は、既存のものでは対応できない案件が発生した時に、事業部や営業所の垣根を越えて遊軍的に動くエンジニア集団だ。この案件でも、さっそく技術部が動き、情報通信技術に長けたエンジニアリング事業部と共同で開発した。

実際にシステムが使用された工事は、航空機の増便に関連して行われた空港の桟橋増設工事。管理した建機は、バックホーやユニック、そして750tクラスのクローラークレーンだ。納入後2年間、現場で使用され、導入当初はいくつかの機能追加の要望などがあったものの、無事に役割を終えることができた。お客様の評判も上々で、今後このシステムは空港工事の安全管理に必要不可欠なものになるかもしれない。



ICTによる現場の「見える化」が進展

今回お話を伺ったのは、アクティオ技術部の菅原伸生 主事。情報通信系の技術を得意とし、今回ご紹介した機械位置情報システムを手がけてきた。今後、機械の位置や高さの管理だけではなく、重機同士、重機と人、重機と障害物などの接触を予測するモードを追加するなど、機能アップをはかっていくという。これにより、システムの使用範囲を空港工事だけではなく、通常の土木工事にも広げていきたい考えだ。

技術部の菅原伸生主事。分野を横断してさまざまなことにチャレンジできるのが、アクティオ技術部の魅力だと語る技術部の菅原伸生主事。分野を横断してさまざまなことにチャレンジできるのが、アクティオ技術部の魅力だと語る


工事進捗の見える化、工程の見える化など、土木建築の現場にはまだまだICTが入り込む余地がある。特に位置情報を使うシステムでは、日本製GNSS「みちびき」の導入などによって、飛躍的に精度が高まっている。今回ご紹介したシステムも、重機の位置情報の見える化に他ならない。アクティオ技術部から、今後どのようなシステムが生まれてくるのが楽しみだ。

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