2020.07.31

Withコロナ時代の新人研修 アクティオグループの取り組み 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴う社会的影響は、さまざまな分野に波及している。企業での新入社員研修もそのひとつだ。アクティオでも、「密」な状況が生じやすい新入社員研修会は中止。新人たちの大切なスタートが切れなくなってしまったのだ。この困難を救ったのがアクティオのグループ力だった。

Withコロナ時代の新人研修 アクティオグループの取り組み

グループ会社エスアールエスのオンライン講習を活用

アクティオグループでは例年、新入社員を迎える4月に新人研修を行っている。新入社員が一同に会する研修会には、「アクティオ人」として一歩を踏み出すための、大切なカリキュラムが組まれる。その中には基本的な建機の資格取得のための講習も含まれている。今年は、残念なことに、この大切な時期に新型コロナウイルスが発生してしまった。


4月7日には、国が首都圏を中心とした7都府県に緊急事態宣言を発出。そして4月16日には実施する区域が全都道府県に拡大した。アクティオはこれを受け、新入社員が一同に会する研修会を中止とした。そして、アクティオの人事部では、オンラインによる研修の検討が始まった。


同じ頃、アクティオグループで建機の教習事業を行うエスアールエス相模原教習センターでは、オンラインを活用した新しい教習の形を模索していた。そして、厚生労働省労働基準局安全衛生部が出した「インターネット等を介したeラーニングにより行われる特別教育の当面の考え方等について」という通達を受け、双方向でオンライン教習が行えるシステムを構築したのだ。神奈川労働局からの認可も得た。


アクティオ人事部では、さっそく、エスアールエス相模原教習センターのシステムを活用することを決めた。こうして、5月18日から2週間の日程でアクティオグループの新人研修が実現したのだ。


神奈川労働局からの認可も得て、5月18日から2週間の日程でアクティオグループの新人研修を行ったのだ。


今回、オンラインで行った教習は、特別教育と安全衛生教育の学科だ。これらを履修するのに2週間かかる。学科終了後、受講者たちは同教習センターに集まり、実技を履修するわけだ。まだ実技を残しているとはいえ、新型コロナ禍で立ち止まることなく、グループ力を駆使して研修を前に進められた事の意義は大きい。一方、教習の実務にあたったエスアールエス相模原教習センターでは、貴重な経験とデータを入手することが出来、オンライン講習という新しいサービス提供に弾みをつける形となった。


エスアールエス相模原教習センター 教習センター課の畠中直人さん。エスアールエス相模原教習センター 教習センター課の畠中直人さん




今後は一般向けにもサービスを展開予定

まだまだ先が見通せないWithコロナの時代。社会経済活動を営みながらいかにして人々の接触機会を減らしていくかが、大きな課題になってきた。アクティオでも「非接触」をキーワードに様々なサービスや商品の提供を行っており、今回のオンライン研修の成功は、非接触分野における新たなレンサルティングの芽生えだといえる。


オンラインによる学科の教習を行うにあたり、必要なシステムを構築するなど、中心人物として尽力したのが、エスアールエス相模原教習センターの畠中直人さんだ。慣れない作業ゆえに、苦労した点も多かったのではないだろうか。お話を聞いてみた。


「実は若い頃、こういった(システム関連の)関係の仕事をしていたため、どうすればよいかは分かっているつもりでした。でも、いざシステムを構築しようとすると、必要な機材が手に入らない。コロナの影響で、YouTubeのライブ配信などが注目を浴び、一気に機材が品薄になったんですね」

なるほど。実際にオンライン教習を行った後の感想はいかがだろうか?

「正直、講師ひとりでオンライン教習を行うのは厳しいですね。画面を切り替えたり、回線が切れてしまった受講生のフォローをするといった裏方スタッフがいないと、うまく回らないです。実は今回、目の前にリアルな受講生も数名いらしたんですね。その存在が大きかったです。画面だけでは、本当に理解しているのか、はたまた眠たいんじゃないかとかが分かりにくい。そういう反応をじかに見ることができて助かりました」

オンライン教習では講師に加え、技術を担当するスタッフも必要になる。オンライン教習では講師に加え、技術を担当するスタッフも必要になる
まずはアクティオグループの新人研修でオンライン教習を実現させたわけだが、今後一般向けにもサービスを展開する予定はあるのだろうか?


「まずは企業を対象としたオンライン教習をスタートさせます。それから一般向けにも展開していく予定です。オンラインであれば、遠方の方も対象になりますし、実技は条件さえ合えば出張することも可能です」

同教習センターは英語による外国人向けの技能講習の開設、さらにはベトナム語での対応も検討するなど、他の教習センターとは一線を画すメニューも魅力の一つ。今後も新たな試みにチャレンジすることに期待したい。

同教習センターは6月1日からリアルの講習も再開。新型コロナウイルス感染症対策として、「席の間隔を空ける」「徹底的な換気」「アルコール消毒液の設置」といった対応に加え、「順路の作成(写真①)」「飛沫対策クリアカーテンの設置(写真②)」「検温の実施(写真③)」など万全の対策がとられている。同教習センターは6月1日からリアルの講習も再開。新型コロナウイルス感染症対策として、「席の間隔を空ける」「徹底的な換気」「アルコール消毒液の設置」といった対応に加え、「順路の作成(写真①)」「飛沫対策クリアカーテンの設置(写真②)」「検温の実施(写真③)」など万全の対策がとられている。


※エスアールエス相模原教習センターは2021年3月末に閉鎖いたしました。


※記事の情報は2020年7月31日時点のものです。

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